相続遺言判決実例集…TOPPAGE


  • 相続遺言判決実例集
  • (最大判・昭和49年9月4日民集28巻6号1169頁)
 

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 相続遺言判決実例集

相続と遺言についての判例実例です。

 

(最大判・昭和49年9月4日民集28巻6号1169頁)


 (最大判・昭和49年9月4日民集28巻6号1169頁)

「他人の権利を目的とする売買契約においては,売主はその権利を取得して買主に移転する義務を負い,売主がこの義務を履行することができない場合には,買主は売買契約を解除することができ,買主が善意のときはさらに損害の賠償をも請求することができる。他方,売買の目的とされた権利の権利者は,その権利を売主に移転することを承諾するか否かの自由を有しているのである。ところで,他人の権利の売主が死亡し,その権利者において売主を相続した場合には,権利者は相続により売主の売買契約上の義務ないし地位を承継するが,そのために権利者自身が売買契約を締結したことになるものでないことはもちろん,これによって売買の目的とされた権利が当然に買主に移転するものと解すべき根拠もない。また,権利者は,その権利により,相続人として承継した売主の履行義務を直ちに履行することができるが,他面において,権利者としてその権利の移転につき諾否の自由を保有しているのであって,それが相続による売主の義務の承継という偶然の事由によって左右されるべき理由はなく,また権利者がその権利の移転を拒否したからといって買主が不測の不利益を受けるというわけでもない。それゆえ,権利者は,相続によって売主の義務ないし地位を承継しても,相続前と同様その権利の移転につき諾否の自由を保有し,信義則に反すると認められるような特別の事情のないかぎり,右売買契約上の売主としての履行義務を拒否することができるものと解するのが,相当である。このことは,もっぱら他人に属する権利を売買の目的とした売主を権利者が相続した場合のみでなく,売主がその相続人たるべき者と共有している権利を売買の目的とし,その後相続が生じた場合においても同様であると解される。それゆえ,売主及びその相続人たるべき者の共有不動産が売買の目的とされた後相続が生じたときは,相続人はその持分についても右売買契約における売主の義務の履行を拒みえないとする当裁判所の判例(昭和37年(オ)第810号同38年12月27日第二小法廷判決・民集17巻12号1854頁)は、右判示と抵触する限度において変更されるべきである。そして,他人の権利の売主をその権利者が相続した場合における右の法理は,他人の権利を代物弁済に供した債務者をその権利者が相続した場合においても,ひとしく妥当するものといわなければならない。」

 


 

 
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